最近になってわかってきた人間の皮膚の驚くべき働きについて書かれている。どんな生物も皮膚の構造や組成は基本的に変わらないそうだが、進化の過程でそれぞれの生物特有の形態を獲得していったようだ。科学者は、人間の皮膚がなぜ体毛を減らして露出するようになったのかということを考える。なんと皮膚には触覚以外に視覚・聴覚・嗅覚・味覚の五感があるそうだ。皮膚は可視光のみならず紫外線から赤外線まで感知でき、音については耳の限界の二万ヘルツを超えた超音波まで感知できるという。その皮膚の五感からもたらされる無意識の膨大な情報を統合するために人類は大きな脳を持った。それが現在のホモサピエンスへの道筋ではないかと。科学は壮大なロマンだ。
なちかつ
図書館WEB