「核家族化」が言われて半世紀あまり。家を中心とする家族制度はどんどん変容し、地域との関わりも薄れて<ひとり死>を迎える人が増えているという現実。それにともなって葬式や墓に対する人びとの考え方もずいぶん変わってきた。本書は日本各地の具体事例を紹介し、今この国でどんなことが起こっているか、そしてこれから周りの人や自分自身の死とどのように向き合っていけばよいかについて考える材料を提供してくれている。当たり前だが、死んでしまったあとのことは自分では何もできない。どんな死(死後)を迎えるかは、つまるところどのように生きたかということと連続している。人との関わりの中で生きる喜びを感じられるように生きることが大切なのではないだろうかと考えた。
なちかつ
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