なちかつ
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 本(文芸書)の帯に各地の書店員からのコメントがずらっと並んでいる。〇〇書店△△店誰々さん、・・・。書店員から評価された本は栄えある本屋大賞に選ばれることにもなる。書店員さんにとっては、ヒットした本の帯に自分のコメントが載るというのはすごいことだ。が、逆に帯のコメントが本をヒットさせることにもつながるとすれば、名前が出た人たちはカリスマ書店員ということになる。この小説の主人公は谷原京子、29歳。東京近郊の中規模書店の契約社員。書店員として働くことのやりがい、使命、人間関係、その悲喜こもごもがとてもリアルに描かれ、ぐいぐい引き込まれる。また、作者の語り口はとてもぴちぴちと弾んでおり、思わず笑ってしまうところがある。読んでいて愉快な作品。

2024年 (令和6年)
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