食文化の奥深さ、多様さに驚いた。身近にあって毎日口にしている食品なのに、ほとんど知らないことだらけだ。われわれ現代人の生活では、大豆・米・牛乳などの原料食品もしょうゆ・油揚げ・せんべい・おかき・バター・チーズ・クリームなどの加工食品も同じようにお店の棚に並んでいて、暮らしの中で加工過程を見ることがない。たとえば、中間加工品で見た目はよく似た白い粉にも、上新粉、もち粉、白玉粉、小麦粉、コーンフラワー、コーンスターチ、かたくり粉、脱脂粉乳などたくさんある。さすがにきな粉は色が違うのでわかるが、それ以外は粉だけを見て見分けがつくだろうか。さらに、上新粉はうるち米をひいてつくる米粉だが、それより目が粗くせんべいの原料になるものを新粉、それより目が細かくまんじゅうなどの原料になるものを上用粉とよぶそうだ。
自然の恵みからさまざまな美味しい食べ物をつくりあげてきた人間って本当にすごいなあと感動してしまう。