自由に生きていいんだと、何か妙な元気をもらえる本。作者は発泡スチロールの板で家を作って、それを背負って日本各地を歩いている。日本だけではない、スウェーデンや韓国へも出かけている。別に旅をしているわけではないと本人は言っている。行った先で家をおかせてもらうために、まず土地の持ち主と交渉するそうだ。家が落ち着いたらトイレ・風呂場(銭湯)などを見つけ、周辺の絵地図を描く。かれはそれを間取り図と呼んでいる。何ともユニーク。生活費はというと、訪ねてまわる各地の家の絵を描いて、それが収入になるそうだ。何のためにこういうことをしているのかについては明確に語っていないが、そんなユニークな行動を通して見えてくることや人との出会いはとても濃密なんだろうなと思った。
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大竹英洋氏、撮影20年の集大成。北米大陸ノースウッズの大自然。例えば私たちが何日間か現地を訪れただけならば、どんなにすばらしい景色に出合えたとしてもそれ以上のことはないだろう。大竹氏が20年もそこに通い、現地の人たちとも深い関係を築き、写真家として不断の努力を重ねた結果得られた写真の数々。それを見られる贅沢。できるだけ作者の心情に近づいて鑑賞したい。
先に紹介した『そして、ぼくは旅に出た』と併せてどうぞ。
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このとき作者は40代後半ぐらいだろうか。その年代で訪れた父親との永遠の別れ。父親が亡くなる前後の日常と作者の心の動きが、飾らない素直な筆致で描かれている。だれの身にも起こることなので、書かれていることのひとつひとつが心にしみてくる。平易でいて力のある文章。
「“大丈夫ですよ”という言葉を聞いて、一日を終えたかった。」「悲しみには強弱があった。まるでピアノの調べのように、わたしの中で大きくなったり、小さくなったり。」「なにかを処分したところで思い出は失われないのだと思った。」
*企画展示「ちっちゃな春ふぇす~六女の饗宴十八冊~」から
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