巻末に「この物語は史実に基づいたフィクションです」とある。ということは、アンリ・ルソーの絵画をめぐってこの作品に描かれているような鑑定対決が実際にあったのだろうか。20世紀初頭の前衛画家、生前はまったく評価されなかったルソーの作品『夢をみた』は真作か贋作か。ティム・ブラウンと早川織絵、若い二人の研究者は、作品の所有者である老バイラー氏の依頼で人生をかけた鑑定対決に挑む。その過程で明らかにされていく晩年期のルソーの貧しい生活、ピカソの存在、ヤドヴィガやその夫ジョゼフとの関わり。そして、名画を手に入れるべく暗躍するバイヤーたち。
純粋にルソーの絵を愛する気持ちが作品の中に流れており、最後のまるでマジックのように作中人物がつながっていく構成は見事だ。
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“想像力があるからこそ、人は四季を楽しんだり、夢を抱いたり、人を思いやったりすることが出来るんだと思います” その通りだと思う。そして想像力を育むのは読書、お話、言葉だ。本書は「晴れた日は図書館へ行こう」の続編。本好き、図書館大好き少女のしおりの周りで起こるふしぎな事件が5話。物語の季節は秋から冬。どれもじわーっと心にしみる話が、ミステリー仕立てになっていておもしろい。
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私たちの暮らしのこんなところに数学が使われているのかと、具体的な事例で説明してくれるのでおもしろく読めた。教科として学んだときはとっつきにくかった「指数・対数」や「微分・積分」なども、日常生活の場面で考えると大まかなイメージでとらえることができる。理路整然とややこしく、数学者たちはこんなことを考えてきたのだ。たいしたもんだ。
なるほどと感心したのは、「割引とポイント還元は似ているようでけっこう違う」(方程式)、「厚さ0.05mの新聞紙を100回折りたたんだらどのくらいの高さ(厚さ)になるか」(指数・対数)、「ドラゴンクエストのステータスはなぜ上限が255と中途半端なのか」(二進法)、「宝くじを1億円分買ってみたらその当選金額は?」(確率・統計)など。
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